2005年水輪通信52号より          

〜心を高める人生を共に生きる〜

水輪ワーキングスタディー での気づき 

 

現在、水輪では、4名のスタッフと4名のワーキングスタディー実習生が、日々の生活と仕事を通して、以下の大目的へ向かって学んでいます。「心を高める人生を共に生きる……私たちは人を憎んだり、ねたんだり、執着して苦しんだりする為に生まれてきた訳ではない。人間として、最も聡明な事を成す為に生まれてきたのだ。その為に、真の実力を養わなければならない。その実力とは、「能力」と「人間性」の向上である。実力を養う為には、知力、体力、気力を養う、正確、迅速さを養う、時を守り、場を清め、礼を尽くす」

● Sさん(20代 女性/実習生/1ヶ月経過)「雪かきでなりきる事ができるのか?」
1月17日 今日から水輪で生活させていただくことになる。迷いは消えてここで深い世界を知りたいとわくわくしている。うれしかった。でもこれからは自分をよく見つめて今まで逃げてきたことをプラスに変えていきたい。
2月1日 午前中はずっと雪かきをしていた。ひさしぶりの雪かきでオーバーズボンもはいて、手袋もはめて、格好からきちんと雪かきをする自分になっていた。私も小学生の頃は随分、雪と仲良くさせてもらっていた。そんな頃を思い出しながら、雪かきを続けている。楽しかった雪かきも、一人でただやっていくしかない。だんだんとやる気もなくなってきて、中途半端になっていった。もう終わりにしたい。そう思っても、体を動かした。私はやっぱり雪かきが苦手だ。なんでいつもこんなに嫌になるんだ…?まわりの人達は私にはとても嫌そうには見えない。雪かきでなりきる事ができるのか?と思ってしまう。体力がなければできないのではないか?それとも気持ちの問題か。雪かきは私の課題となる。
2月3日 雪かきをしながら考えていた。ここのところの話し合いでみんなの幸せを願う気持ちを聞いていて、私はなんだか自分の事しか考えていない自分がはずかしくなった。自分を見つめてばかりいてもしょうがない。もっと大きな愛を持てる様になりたい。今は全然足りないが、そうなりたいと思っていよう。

● Sさん(20代 女性/実習生/3ヶ月経過)「その場しのぎの生き方、変えたい」
12月1日 なぜか今日は気持ちが落ち着かなくていっぱい不安な心が出てきた。不安な気持ちから逃げたいと思ってしまいました。夜、座禅をしたけど呼吸の仕方が分からなくて苦痛でした。できない事、嫌な事があると逃げたくなってしまいます。みどり先生にいいお話をしてもらったのに、そんな事ばかり考えてしまいました。気持ちの切り替えがうまくなりたいです。
1月14日 今日はMさんにいろいろ助けられた。自分の事より人の事を考えられるMさんはすごい。見習いたいと思いました。苦手だなぁ、嫌だなぁ、と思っている人に対しても思いやりの心をもてる人になりたい。今の私は、苦手だと思う人を避けている。大きい心の人になりたい。
2月11日 Yさんから、一回決めた事は最後までやる事を教えられた。すぐあきらめてしまう私にとって、すごく大切な事だった。そして、人のために何かをするには心が成長していないと無理だと思った。みどり先生から楽しいだけとか、嫌な事があると逃げるのはもう終わりにしなさいと言われ、ハッとした。今まで真剣に生きようと思ってなかったかもしれない。ただただ、生活に追われていたり、その場しのぎでなんでも生きてきた。だからいろんな事が中途半端だった。もうそんな生き方、変えたい。心が成長できるように、がんばろう。自分の力でいろんな事に気付いていこうと思った。

● Kさん(30代 男性/実習生/6ヶ月経過)「他人の事にがんばる事は結局、自分のため」
「なぜワークスタデイを志したのか?」:水輪に来る前は薬とアルコールで完全にダメになっていました。あと2年アルコールを飲み続けると死ぬと言われていました。それでも気にせず水輪に来る前日まで酒を飲み薬と併用していました。体は完全に壊れていて、精神的にも異常な状態でした。6年間のアルコールと薬漬け状態から抜けたいと思いましたが、キツイものがありました。8月10日の水輪に来た当日からアルコールと薬を抜き、みどり先生とスタッフの方々にお世話になりながらの生活が始まりました。8月〜10月の間はほとんど寝たきりか休みながらのワークとなりました。薬を抜きはじめると体中がだるくなり、ふらつき、頭痛等で苦しみました。体がふらふらしてたまらなくなりました。そんな時、10月10日のワークショップ&コンサートに母と妹が来て今までどれほど僕が母と妹に迷惑をかけ続けたのかをみどり先生が説いてくれて目が覚めました。それからは社会復帰を目指してがんばり続けています。
10月14日 午後のワークが4時30分に終了。ひと休み。その後頭痛がしてくる。寒気もする。大事をとって休む。原伸介氏の『僕は炭焼き職人になった』を読む。彼の行動に感動する。僕には感謝の気持ちが足らなかった。原氏の本を読んで痛切に思った。感謝の気持ちがあれば僕の人生どんなに明るいものだったであろうか?人に対して感謝する。そして「他人の事にがんばる」事は結局自分のためにがんばっている事だという事が分かっていれば、僕は薬なんかに手をださずに済んでいただろう。母への感謝、妹への感謝の気持ちがあればあんな自堕落な生活はしなかったであろう。いくら夢を追っても、感謝の気持ちがなければ叶わない。それを強く感じました。

● Kさん(10代 女性/高校生/1ヶ月終了)「今ここへつなげてくれた全てに感謝したい」
1月11日 朝から声を出したり、働いたり気持ちがよい。昨日教わった呼吸法をしながらだと更に気持ちが良い。単純作業は好きで、働くのは楽しかったけれど、雑念に持っていかれそうになることのなんと多いことか。
2月4日 良い状態でした仕事と、そうでない仕事は仕上がりが全然違って気の通った仕事が出来ると、すごく気持ちが良い。仕事をもらえる事が有り難い。どれも本気で身に付ければ一生ものだと思う。皿洗いも、トイレ掃除も、極めればそれで食べていく事ができる。辛いなと感じる事がない。嫌な感情が起きるけれど辛いと違う。
2月5日 そういえば暗かったんだよなあと思いだした。こわい人。って、ずっと思われていて。人間嫌いで極度の人見知りで消滅願望しかなかった。光や明るい方向にはアレルギー反応みたいに拒否をして手首を切って恋人泣かせて。それが今、ここで、こうして生きている。不思議な力が働いているとしか思えないように。ポジティブへと背を向けたがる自己のクセはどこかにあるかもしれないけれど。信じたい、信じられない。そんな自分が一番嫌い。信じたい、信じられない、自己嫌悪・・・人と関わるのが苦痛になっていた。今は、安心していられる関係性が出来ていて、だから光に背を向けなくても怖くない。
2月7日 今ここへつなげてくれた全てに感謝したい。幸せな生き方をここでは見る事ができました。そして、1ヵ月で、幸せな生活の入り口をかじらせてもらいました。

● Yさん(40代 女性/会社員/1週間終了)「思ってるだけじゃただの妄想…想いを相手に話すこと」
1月11日 食事後、みんなで「私の決意」と「ぐらつき」について話し合って下さった。客観的意見がうなずける。思ってるだけじゃただの妄想、それが神経を疲れさせるのだ(→私のくせ!?)。今、今の積み重ねが未来。考えているより想いを相手に話すこと。「飾らず素のまま」

● Mさん(20代 女性/スタッフ/8ヶ月経過)「生き方と仕事が一致している」
1月25日 久しぶりの半日オフをいただいた。今までの私を振り返る。週に2日はオフがないとダメな人間だった。1日8h労働で充分だった。でも今は、こんなに働ける自分に成長できた。オフもなければないで平気だと思える。それはなぜか? 生き方と仕事が一致しているから。わざわざオフをとって「息抜き」する必要がないからだと思う。そんな仕事に出会えた私は幸せものだと思う。実習生が5名、スタッフが4名、みどり先生、研先生、そしてさおりちゃん。他人どうしが一つ屋根の下で暮らす。生き合う。共生。これってすごいことだと改めて思う。

 

戻る

 (C)Copyright Holistic Space Suirin. All rights reserved.
無断転載を禁じます。