自分と静かに向き合える場所

〜水輪の存在意義〜

本田 健(作家)
■プロフィール 神戸生まれ。経営コンサルティング会社、会計事務所、ベンチャーキャピタル会社など、複数の会社を経営する「お金の専門家」。独自の経営アドバイスで、いままでに多くのベンチャービジネスの成功者を育ててきた。娘の誕生をきっかけに育児を中心とした“セミリタイア生活”を送っている。現在は、子育てのかたわら大好きなテーマである「お金と幸せ」に関する講演、カウンセリング、セミナーなどを不定期に行っている。著書に、『スイス人銀行家の教え』(大和書房)他多数。

● 気のビシッと通ったところ

 このたび、会員にならせて頂きました作家の本田健です。私は、3年前まで、育児セミリタイヤ生活をしていましたが、思うところがあって、育児のかたわら、お金と幸せについての本を書き始めました。多くの読者の方に応援され、『ユダヤ人大富豪の教え』をはじめとする著作シリーズは、おかげさまで100万部を越えるベストセラーになっています。

 知り合いが全くいない長野には、娘の幼稚園が理由で、2年前に引っ越してきました。そして、娘の通っている幼稚園の園長さんの友人の内田さんのご縁で、水輪にお邪魔することになりました。最初の印象は、なんて気のビシッと通ったところなんだろう!というものでした。一流のお寿司屋さんに感じられるような空気を感じたのです。静寂と清らかなエネルギーに満ちた素敵な場所だと思いました。スタッフの方たちも、とっても爽やかで、ここは何かが違うぞという印象でした。自然、行き届いた掃除、建物の素材、雰囲気、どれをとっても、うなるようなすばらしさです。これだけの施設を作って維持するには、すごい力がいると感心したのを覚えています。

 

● いつでも帰っていける安らぎの場

 塩沢さんご夫妻とお話させて頂くうちに、いっぺんで、ご夫妻と水輪のファンになってしまいました。お二人の謙虚でありながら、パワフルな生き方に、深い感銘を受けるとともに、ぜひ応援したいと感じました。この二つの特質を持っている人は、非常に少ないと思います。…

 多くの人が人生に迷い、元気をなくしている今日、水輪のような場所は、いつでも帰っていける安らぎの場、少し大げさな言葉を使うと、聖地のようなところだと思います。日本では、そういう場所は、ごく限られています。それは、その場所がリゾート施設のようになるか、宗教団体になるかどちらかだからです。そういう点で、水輪は、日本でも、非常に特殊な独立性と、行き届いた環境を持っていると思います。

 

● 幸せな人生を生きるために……自分と静かに向き合う環境が必要

 今年の2月、講談社と共同で、日本の億万長者12,000人を調査しました。そして、分かったことは、彼らが、例外なく、自分の大好きなこと、得意なこと、人に喜ばれることを仕事に選んでいることです。これは、金銭的な豊かさだけではなく、幸せな人生を生きるためにも、とても大事な要素だと言えます。

 しかし、普通の両親に育てられ、普通の教育を受けている限り、この大切なことを体感することはできません。それは、小さい頃から、外の情報を処理するのに忙しくて、自分の内面を見つめるチャンスを持たないからだと思っています。どれが有利か、不利か、社会的によさそうかどうかでしか、仕事もパートナーも選べなくなっているのです。自分は誰なのか、何をしたいのか、どういう人生を生きたいのか。何を仕事にするのかなどは、自分と向き合わなければ、明確な答えを得るのは難しいでしょう。その答えを見つけるためには、自分と静かに向きあえるような環境が必要です。

 その点で、水輪が提供しているものは、すばらしいと思います。おいしくて心のこもった食事をいただき、静かな環境と自然に癒されながら自分と向き合うことが出来ます。また、そこで知り合った人たちとは、一生を通じて、支え合えるような関係も生まれるでしょう。

 これからの水輪が、多くの人の支えとなられることを心からお祈りしています。そして、その聖地を応援するささやかな力でもありたいと願っています。

『水輪通信』第50号より

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