いのちの大学構想実現に向けて

ひとしずくの愛から、無限の愛へ

飯綱山の美しさは25年前と変わりがありません。

音もなく降ってくる雪、眼下に広がる雲海、東の空から上がる太陽、ここ水輪に残った赤いナナカマドの実をついばみに、鳥たちが木々の間を飛び交っています。

私たちはこの静けさの中に息づている、たくさんのいのち達を感じています。

脳損傷という重い障害をもつ娘のさおりは、このナナカマドの木々たちに見守られて育ってきました。さおりはこの30年間、たくさんの危機を乗り越えて、仲間や友人達に助けられて生きてくることができました。

私達が心のことや意識のこと、医療や科学、経済や文学、哲学や教育、そして食事のことや生活のこと、自然や環境、農業や森のことなど様々なことに目を向けてきたのは、さおりのいのちを守るためでもあり、さおりの存在の意味を知るためでもありました。

同時に私達自身の苦しみや悲しみはどこからくるのだろうかということを解決したかったからでもあります。すべてを手放した生活の中で、私達は確かに、何か大いなる存在によって歩まされてきたことを感じています。

信州の飯綱山に小さな庵を建てて25年余、自己を深めることを追求する中で「水輪」というスペースができ、また「水織音」という施設も運営することになりました。そのたびに大勢の方達の手助けを頂いてまいりました。

今回の計画は、これまで私たちが学ばされてきたことの集大成として「いのちの大学」構想を実現することです。人間が主人公となる道筋の開拓は、今時代のテーマと言ってもよいと思います。個々の苦労や体験を通して学んだことをもっと社会に広げる公共化の必要性を感じ、「いのちの大学」の立ち上げとなりました。

その第一歩として、この構想における〈大地のいのちと調和した生産活動と生活空間の創造〉を具体的に実践していく水輪ナチュラルファームを、農地の取得することにより現実のものにしていくことと、〈心身の癒しと健康創造活動〉の拠点としてのグリーンオアシスの建設を現実のものとしていくことを計画しております。

既に受け皿としての農業生産法人として株式会社水輪ナチュラルファームを、(資本金1,000万円)と有限会社グリーンオアシス(資本金4,000万円)はそれぞれ2003年12月と2005年8月に法人として設立することができましたが、この構想を実態をもったものとして実現していくのはいよいよこれからです。

第一は内観療法、園芸療法、ケアリスナー(カウンセリング)、社員研修を主として行う研修施設グリーンオアシスの建設です。(竣工2006年4月)
第二には水輪ナチュラルファームの農地の取得を行います。(2006年9月取得)

総額で2億円近い金額になりますのでたやすい計画とは言えませんが、ぜひとも皆様に応援をしていただきたく何卒よろしくお願い申し上げます。

応援の方法は幾つかございます。ぜひ「いのちの大学構想実現に向けて」のパンフレット、「いのちの大学構想ご支援のしおり」をお読み頂き(PDFファイルをダウンロードしてご覧下さい。)ご支援くださいますようお願い申し上げます。

私たちの進む道は険しくとも、その先には必ず光りが待っているように思えてなりません。この限りなく深いいのちの存在の意味が、次の世代に引き継がれていくことを心から願っています。

2005年秋
水輪の会 塩沢みどり 塩沢研一 スタッフ一同

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